いびきは夜間就寝中に狭窄したのどから発生する音です。いびきは身体のコンディションや飲酒などに影響されます。のどの狭窄がひどくなるといびきだけではなく就寝中に呼吸が止まり、睡眠時無呼吸症といわれる病気となることがあります。
睡眠時無呼吸症は呼吸障害と睡眠障害という2つの側面を持ち、高血圧や心疾患など生活習慣病への影響や昼間の眠気による事故など社会的な影響を及ぼします。眠気への影響としては居眠り運転が通常の方に比較して5倍も多いといった調査報告もあります。
原因としては肥満が最も関係しますが、アジア人では下顎が小さいため軽い肥満でも睡眠時無呼吸症候群となることがあります。また、鼻づまりや扁桃腺肥大など気道の形態異常が関係することもあります。
自宅で行う簡易検査や入院下に行うポリソムノグラフィーといった精密検査により詳細で正確な診断を行います。
治療としては、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法、マウスピース装着および手術療法などがあります。CPAP療法は持続的に空気を送る装置を使用し鼻に装着したマスクを通して気道狭窄を防ぐ方法です。治療効果は高く日本や欧米で最も普及している治療ですが、非常に使いやすい治療というわけではありません。そのため圧の設定やマスクのフィッティングが重要となります。当院では長年睡眠時無呼吸治療にたずさわっていた睡眠認定医師が診断・治療を行っており、CPAPが使いづらい方に対しより使いやすくなるようマスク・機種・設定の変更および指導を行っております。