コラム columns
新型コロナ感染症などのウイルス感染後に匂いの異常を感じた場合にどのような検査を受ければ良いのでしょうか?
当院では、嗅覚障害の原因を見える化し、治療につなげるために以下の検査を行なっております。
副鼻腔CT
嗅覚障害の原因として一番多い疾患は急性副鼻腔炎に伴う嗅覚障害です。急性副鼻腔炎はウイルス感染後に続発して起こります。鼻腔ファイバーにて膿汁の排泄や粘膜の腫れが認めれれば急性副鼻腔炎の診断は容易ですが、ファイバーにて異常所見がなくても副鼻腔炎であったりすることは珍しくありません。副鼻腔CTは副鼻腔炎の存在を一番詳細に調べることが可能です。
また、嗅裂(においが通る空間)部の閉塞や癒着の可能性についても副鼻腔CTが一番詳細に調べられます。
当院では受診当日にCT検査を施行し、施行後すぐにその結果をご本人と一緒に確認することが可能です。
基準嗅覚検査 T&T検査
匂いに異常を感じた場合に、問診だけでは実際にどの程度匂いが障害されているのかを把握することが非常に難しくなります。当院では「基準嗅覚検査」を行うことが可能です。「基準嗅覚検査」とは、日本で行われている標準化された嗅覚機能の定量検査の一つで、正式名称は「T&Tオルファクトメトリ(T&T olfactometry)」といいます。
厚生労働省が認可する基準検査法で、5種類のニオイを嗅げる強さを定量し、嗅覚障害の程度を客観的に評価できます。。
治療効果の経時的判定にも有効(嗅覚トレーニングやステロイド療法の前後など)で、公的書類や診断書の根拠としても使用されます。
静脈性嗅覚検査
静脈性嗅覚検査は「アリナミンテスト」とも呼ばれ、主に嗅神経機能を評価するための特殊な検査で、ビタミンB1誘導体(アリナミン)を静脈注射しにおいを感じたかどうかを調べる嗅覚機能検査です。完全ではありませんが、嗅神経自体が生きているかどうかを調べることができます。
オープンエッセンス
オープンエッセンスは日本人に馴染みのある12種類のニオイを嗅いでもらい、多彩なニオイの識別能力を評価します。12種類のニオイのうち9種類匂いがわかれば正常としております。
まとめ
当院では、嗅覚障害に対して大学病院等で行われているほとんどの検査を院内で行えるよう設備を整えております。また、院長は嗅覚障害の診断・治療に長年携わってきました。嗅覚の異常にお悩みの方はぜひとも院長にご相談ください。