コラム columns

2024.01.30

今年のスギ花粉症について(実地観察と最高気温から見た飛散時期)

そろそろ花粉症の症状が出てきた方はいらっしゃるでしょうか?
当院でも花粉症状を訴えて来院される方が増えております。

今年のスギ花粉の定点観測

毎年副院長は佐那河内から神山にかけての領域でスギ花粉の定点観測を行っております。

上の写真は佐那河内で定点観測している去年の杉の花粉の写真です。赤茶色の粒々した部分が花粉の入っている雄花です。去年は非常に多くの花粉が飛散しましたが、確かにいっぱいついています。
 
 

上の写真は今年の同じ場所で同じ部位の花粉の写真です。赤茶色の粒々が非常に少ないのが分かると思います。今年の花粉飛散総量は少ないことが予想されます。
 

最高気温の推移および積算値

今年の花粉飛散総量が少ないと予想された場合、気温の上がり方や雨や雪などの天気によって飛散開始日や飛散の濃度が変わってきます。飛散の濃度とは1日1日の飛散の強さを意味します。

今のところ、今年は暖冬であり気温上昇は2020年に次いで早いです。このことから花粉飛散は早いことが予想され、すでに症状が出現している方もいらっしゃるかもしれません。
飛散開始が早くなる分花粉飛散の期間が長くなるため、飛散の濃度は薄くなることが予想されるのですが、2021年と同じように2月初旬から中旬にかけて花粉飛散総量の約4割が飛んでしまう異常事態(異常飛散)もありえます。2021年では飛散総量はまあまあの年でしたが、2月に約4割の花粉が飛散したため(通年は1割未満です。)非常に辛かった患者さんが多く認めました。

2月初旬から中旬の異常飛散を予想するには

2021年2月の異常飛散の要因として当院が考えているのは2月の温度差です。

当院の検討では気温変化が大きいほど花粉が飛散する傾向が強く、2021年では気温差が20度を超えるデータとなりました。
今年の1月の気温変化が非常に大きいです。2月も同じように気温変化が大きい場合に、全体の飛散量は少ないにもかかわらず、2月に飛散が集中し症状が強くなる可能性があります。
 
花粉症をお持ちの皆様におかれましては、花粉に対する早めの準備をお願い申し上げます。